歌の練習は不要!歌は病気の症状だった?POPSを歌うために本当に必要なこととは

みなさんは、歌が上手くなるには「歌う練習」が必要だと信じていませんか?
でも、それは大きな誤解です。

私の研究では、人間はもともと「歌える動物」でした。
つまり、歌えない理由は技術不足ではなく、身体に起きている不調や病気、特に呼吸の問題や副鼻腔炎にあるのです。

しかし、世の中の多くのボイストレーニングは、「歌い方」ばかりを教えています。
その多くはクラシックの発声法であるベルカント唱法をベースにしています。

実際にボイストレーニングの創始者、セス・リッグスさんのWikipediaには次のように書かれています:

セス・リッグス(1930年生まれ)はロサンゼルスを拠点とするアメリカのボイストレーナー。
ベルカント唱法を基に「スピーチ・レベル・シンギング(SLS)」を考案し、マイケル・ジャクソンなど多数のトップアーティストを指導してきた。

ここでひとつ、あなたに質問です。
あなたが歌いたいのは、クラシックのオペラですか?それともPOPSですか?

多くの方は、POPSを歌いたいはずです。
だとすれば、クラシックの訓練をそのままPOPSに当てはめるのは無理があります。

実際、マイケル・ジャクソンのようなアーティストたちは、ボイトレを習わなくても歌える人たちだったのです。
逆にセス・リッグスさんが教えるよりも、マイケルから学ぶべきだったのでは?とも思えるほど。

YouTubeには「マイケルが電話でボイトレを受けていた」という映像も出回っていましたが、
これは正直なところ、マイケルを起用した宣伝用のパフォーマンスの側面が強いと私は見ています。

アメリカ人は、日本人とは違って非常にビジネス志向です。
「有名人を使って売る」という発想は、アメリカでは当たり前の戦略。

現在(2025年7月)、トランプ元大統領の関税政策が世界中から批判されているのも、
そうした「自国中心の利益優先」という、アメリカ特有の気質の表れかもしれません。

このように、歌の練習=上達という思い込みは、商業的に作られた「幻想」かもしれません。
本当に見直すべきは、呼吸のあり方身体の健康、そして自分本来の声ではないでしょうか。

クラシックとPOPSの発声は、まったく別物だった!

では、なぜ多くの人が「歌い方」にこだわってしまうのでしょうか?

その理由は、クラシックの発声法とPOPSの発声法が正反対の考え方に基づいているからです。

クラシック音楽、とくにオペラにおいては、「オペラ歌手」としての完成された一つの理想的な声=単一の個性を目指します。
つまり「歌い方の型」があり、それに合わせるための発声法なのです。

一方、POPSではその逆です。
POPSの世界では、アーティストの「個性」が何よりも重視されます。
むしろ、型にはまった「歌い方」こそが敬遠されるのです。

ボイストレーナーの皆さんが悪いわけではありません。
ただ、ジャンルの成り立ちや目的が違うということを、もっと広く認識してほしいと私は思います。

もし逆に、POPSの自由な発想をクラシックの世界に持ち込んだら、クラシック関係者の方も「それは違う」と感じるはずです。
それと同じことが、POPSにクラシックの発声を当てはめる際にも起きているのです。

そもそもクラシックの発声法が確立したのは、明治時代よりも前の時代です。
つまり、まだPOPSというジャンルが存在していなかった時代に作られた発声理論なのです。

その古い時代の発声法で、現代のPOPSを歌おうとすること自体に無理があると思いませんか?

「歌の基礎なら腹式呼吸」…その常識、いつから始まった?

「歌の基礎は腹式呼吸」――
この言葉、どこかで聞いたことはありませんか?

実はこれ、明治時代にベルカント唱法が日本に輸入されたとき、クラシック音楽の関係者たちが自分たちの都合で広めてしまった言葉なのです。

腹式呼吸という言葉自体が、ベルカント唱法の呼吸法に由来しています。
つまり、オペラの発声法に必要だった呼吸法を「すべての歌の基本」として、一般化してしまったのです。

そしておそらく、当時の偉いお医者さんがオペラファンだったのかもしれません
「腹式呼吸は健康に良い」と言ってしまったその一言が、訂正されることなく時代を超えて広まり、
現代では「腹式呼吸のやり方」といったホームページまで作られるほどになりました。

その代表例が、日本医師会の公式ホームページです。
そこに今も残る「腹式呼吸は健康に良い」という表現が、現代日本の迷信を作り出してしまったのです。

けれど、これは医学的に出てきた言葉ではありません。
むしろ、昔の権威ある医師の言葉を誰も訂正できなかったという、日本社会の組織構造に起因する問題ではないでしょうか。

現代の医師であれば、人間はお腹で呼吸ができない構造であることを理解しています。
もしそれでも「腹式呼吸は正しい」と主張する医師がいたとしたら…
それはもはや“藪医者”認定されても仕方がないのでは?と私は思います。

確信はとっておきましょう

…と、ここまでお話ししてきましたが、
まだまだ本当は言いたいことが山ほどあります。

しかし、クラシック音楽を愛する方々に誤解や迷惑がかかってしまうのも本意ではありません。
クラシックにはクラシックの美しさがあり、歴史と文化の中で育まれてきたものです。

私が伝えたいのは、ジャンルごとの違いを正しく理解することの大切さです。
「POPSを歌いたい人」が「クラシックの方法論」を盲目的に信じてしまう現状に、一石を投じたいだけなのです。

これからも、時代や風潮に合わせて、
少しずつ、丁寧に、私の考えや研究結果を明かしていきたいと思います。