【ある元音楽プロデューサーの気づき】歌の常識は間違いかもしれない

こんにちは。元Sony Musicの音楽プロデューサーとして、長年音楽の世界に携わってきた私から、皆さんに少しお伝えしたいことがあります。

これは、私が40歳で一度現場を離れ、歌の研究に没頭するようになった理由でもあります。それは、かつての私のように、歌で悩む若い人たちの力になりたい、という純粋な想いからです。

良かれと思って始めた練習が、歌声を奪った

若い頃、私はバンドのボーカルとして、ありがたいことに全国大会に出ることもできました。でも、どうしても優勝には届かない。その理由を「歌の基本、腹式呼吸ができていないからだ」と思い込み、ボイストレーニングを始めたのです。

しかし、それが私の歌にとって、思わぬ落とし穴となりました。
練習すればするほど、なぜか以前より自由に歌えなくなっていく…。その悔しさを胸に、私はプロのシンガーになる夢を諦めました。

プロの現場で知った、意外な事実

音楽への情熱は消えず、作曲家を経て音楽プロデューサーとしてプロの現場に辿り着いた私を、さらなる衝撃が待っていました。第一線で活躍するアーティストたちの多くが、特別なボイストレーニングを受けていなかったのです。

「練習しない方が、上手く歌えるなんて…?」

そんな疑問を抱えながら、ある時、芸能スクールで紹介されたのは、なんとオペラの先生でした。その時、私の中で全てがつながったのです。「今、世の中で教えられているボイストレーニングの多くは、POPSとは歌い方が全く違うクラシックの発声法なんだ」と。

このままでは、才能ある若者たちが、知らず知らずのうちに遠回りをしてしまうかもしれない。そう感じた私は、彼らのためにも、この問題の答えを見つけようと決心しました。

「腹式呼吸が基本」という思い込み

「腹式呼吸は歌の基礎で、健康にも良い」と、よく言われますよね。でも、もしかしたら、それは少し違うのかもしれません。日本のボイストレーニングのルーツをたどると、イタリアオペラの「ベルカント唱法」に行き着きます。

また、マイケル・ジャクソンが受けていたことで世界的に有名になったトレーニング法もありますが、これも元をたどればベルカント唱法がベースです。但しマイケルは電話でボイトレを受けていました。宣伝に使われたのかもしれませんね。

POPSとオペラでは、声の使い方が全く違うのに、同じ方法で本当に上手く歌えるようになるのでしょうか?

私には、そうは思えませんでした。YouTubeなどで見かける情報も、多くはクラシックを学んだ方々が、ご自身の経験を元に発信されているものです。しかし、それがPOPSを歌いたい人にとって、本当に最適な方法なのかは、また別の話だと思うのです。

技術じゃなかった。原因は「副鼻腔炎」だった?

私自身、長年の研究の末に、ひとつの結論にたどり着きました。
歌えなくなる根本的な原因は、練習方法や才能といった技術の問題ではなく、実は**「副鼻腔炎」という病気**にあったのです。

▼本当の呼吸は「頭」でするもの

そして、私たちが本来持っているはずの自然な呼吸は、お腹や胸を意識するものではありません。
おでこや頬、あご、耳、頭全体の感覚で呼吸する**「頭式呼吸(とうしきこきゅう)」**。これこそが、人間の基本的な呼吸法だと確信しています。

初めは私も、この「頭式呼吸」を歌うための特別なテクニックだと思っていました。しかし、続けていくうちに、どんどん頭が空っぽに、まるで空洞になっていく不思議な感覚を覚えたのです。

その時、ハッとしました。副鼻腔の解剖図を見ると、そこには実際に「空洞」が存在します。私の体感は、この図の通りだったんだ!と。

▼「腹式呼吸が健康的」という思い込みを、一度だけ疑ってみませんか?

世の中では「腹式呼吸は健康に良い」というのが常識です。
でももし、その思い込みが、あなたの歌、そして体全体の不調の原因になっているとしたら…?

このお話が、歌で悩み、苦しんでいるあなたにとって、何か少しでも前に進むきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。