あなたの声が出ない本当の理由 ― オペラ式ボイトレの罠と“頭式呼吸”という真実

こんにちは。私は、かつてSony Musicで音楽プロデューサーとして多くのアーティストと関わってきました。
そして今は、「POPSの歌がうまくなる方法」を20年以上研究し続けています。

その中で、ひとつだけハッキリと言えることがあります。
POPSとオペラは、まったく正反対の歌い方だということです。


◆ 時代遅れのボイトレが、あなたの声を壊している

日本ではなぜか、いまだに「オペラ式の発声法」を基礎としたボイストレーニングが主流です。
でもそれは、POPSというジャンルが生まれるはるか前――江戸時代レベルの発声法です。

オペラはマイクのない時代に、ホール全体に声を響かせるための方法。
一方、POPSはマイクを使って、言葉やニュアンスを繊細に伝えるための音楽です。

目的が違うのに、なぜ同じトレーニングをするのでしょうか?
その矛盾に気づかず、多くの人が「本当の声」を見失い、時には喉を壊し、健康まで崩しています。


◆ 呼吸が間違っていた。それがすべての始まり

「呼吸は肺でするの?お腹でするの?」
ネット上ではそんな議論が続いていますが、実はその問い自体が間違っていたのです。

人間は、“頭”で呼吸する生き物だった。

――これは比喩ではありません。
おでこ、頬、顎、耳の奥。つまり頭部全体に「空気の通り道のような感覚」があることに気づいたことはありませんか?
私が提唱しているのは、**“頭式呼吸(とうしきこきゅう)”**という感覚です。

天然ミックスボイスの持ち主と呼ばれる人たち。
彼らは発声法を学んでいなくても美しい声が出せます。
なぜか?それは「正しい呼吸構造」を無意識に使えているからです。

Learning to play the guitar. Music education and extra-curricular lessons.

◆ 鼻は万病の元 ― 呼吸不全が声と健康を壊す

「鼻は万病の元」ということわざをご存知ですか?

副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、無呼吸症候群……
日本人の8割が何かしらの鼻トラブルを抱えています。

鼻の不調は、睡眠、自律神経、脳への酸素供給にまで影響します。
そんな状態で「お腹から声を出せ!」「支えろ!」というトレーニングを受けても、逆効果になる危険性が高いのです。

だから私は断言します。
難病を抱えている方、そして多くの日本人にとって、一般的なボイトレは“やってはいけないもの”なのです。


◆ ボイトレ療法とは“治療”である

声の問題を解決するには、声を鍛える前に呼吸と体の調律が必要です。

「出せない声」を無理に出そうとすれば、喉を壊し、心まで折れてしまうこともあります。
でも、“呼吸の回路”を整えれば、自然と声が出てくる。
それが私が提唱する「ボイトレ療法」や「頭式呼吸」の核心です。


◆ まとめ:あなたの声は、必ず蘇る

あなたが歌えなかったのは、才能のせいじゃない。努力不足でもない。
単に、「正しく呼吸できていなかった」だけです。

今こそ、本来の呼吸を思い出して、あなたの中に眠る“本当の声”を取り戻してみませんか?
それが、あなたが歌をもっと自由に、楽しく、そして健康的に続けるための第一歩になるはずです。