天然ミックスボイス

「ミックスボイス出せるようになりたい!」
ボイトレに通ってる人なら一度は思いますよね。

でも、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。
それは、天然ミックスボイスは、ボイストレーニングの成果じゃないということ。

天然でミックスボイスが出せる人は、もともと喉や呼吸のバランスが理想的に整っている人なんです。つまり、“鍛えた”のではなく、“壊れてない”だけ。

にもかかわらず、無理にボイトレで「ミックスを作ろう」とすると、逆におかしくなる人が多い。

高音が苦しい、喉が詰まる、声が細くなる。
その原因は、あなたが下手だからじゃない。
体のバランスを崩すトレーニングをしてしまっているだけです。

本来、歌は“自然に出る”ものであって、“技術でひねり出す”ものじゃありません。
ミックスボイスも同じ。
正しい呼吸と、無理のない発声環境が整えば、声は勝手に混ざっていきます。

天然ミックスを持っている人は、トレーニングなんてしてません。
ただ、自分の呼吸と声を信じて、自然に歌っているだけ。

だからこそ、「出せない自分」を責める前に、自然な呼吸と健康な喉の状態を取り戻すことから始めてみてください。

POPSとオペラは真逆の歌い方。なのに、なぜ同じボイトレを教えるのか?

ひとつだけ、はっきり言えることがあります。
それは——POPSとオペラは、まったく正反対の歌い方だということ。

にもかかわらず、日本ではなぜか「オペラ式ボイストレーニング」が、POPSの歌手志望にも当然のように教えられています。

その結果どうなるか。
多くの人が“自分の声”を見失い、最悪の場合、喉や呼吸器に不調をきたしてしまうんです。

もともと人間は「歌える動物」。
にもかかわらず、「うまく歌えない」状態になってしまうのはなぜか?
それは、クラシック式の型に体を無理やりはめようとするからです。

実際、声を出すだけで息苦しくなったり、頭が重く感じたりする人は多い。
その原因が、実は**気づかれていない“副鼻腔炎”や“鼻づまり”**だったりします。

深すぎる腹式呼吸、無理な共鳴の意識、それが副鼻腔に負担をかけて、逆に呼吸を妨げている。

オペラは「歌い方の完成形」を目指す世界。
理想的な一つの声を、時間をかけて育てていく。それはそれで美しい芸術です。

でも、POPSは違います。
POPSで求められるのは**「その人らしさ」や「呼吸からにじみ出る個性」**です。

つまり、テクニックを詰め込むよりも、まずは本来の呼吸を取り戻すことが何よりも大事。
呼吸が整えば、声は自然と、その人だけの音で鳴りはじめます。

私自身、そこに気づいたことで、声と健康を取り戻しました。
だからこそ、あなたにも伝えたいんです——「今のままでも、あなたにはちゃんと“歌える力”がある」と。