
「ボイストレーニング」という言葉、そもそもはクラシック由来なんです。アメリカ人のセス・リッグスが、イタリアオペラをベースに再構成して「スピーチレベル・シンギング」という名で広めました。マイケル・ジャクソンが電話で習ってたという話もありますが、彼は10歳でプロデビューしてるので、あれは宣伝用だったのかも。
「ミックスボイス」も実はフランスオペラ由来のマイナー技術だった
「ミックスボイス」って最近よく聞きますよね。でもこれ、実はPOPSじゃなくて、フランスオペラの中でも超マイナーな技術でした。2000年代初期、日本の掲示板で一部のボイストレーナーが広めたもの。POPSとはまったく関係なかったんです。
YouTube時代の勘違いと“クラシック信仰”
YouTubeが登場してから、素人でも発信できるようになりました。その結果、クラシック系の先生たちが「正しい発声法」としてボイトレ動画をアップ。それを見た人たちが、「プロもこうしてる」と勘違い。でも実際、POPSのトップアーティストたちは、あまりボイトレなんてしてません。発言すらしない。つまり、POPSは「訓練」より「感覚」なんです。
「歌い方」ではなく「呼吸と構造」の重要性
「歌い方」をいくら学んでも、歌が苦手な人はなかなか変わりません。その理由はシンプルで、「歌」は「呼吸」と「構造」だから。鼻が通ってるか? 頭部の空洞は使えてる? そういう身体の仕組みのほうが重要。クラシックは最初から歌える人向けに作られているので、歌えない人には合いません。
POPSは個性重視。クラシックとは目的が違う
POPSの魅力は「型にハマらないこと」。自分の声で、自分の感性で歌うジャンルです。クラシックのような「正しい型」なんて、むしろ邪魔になることもある。クラシックは人間を「楽器」にするトレーニング。POPSは人間そのものの魅力を活かすジャンル。つまり、目指すゴールが違うんです。