BEAMボイトレの理論

「歌が上手くなりたいなら練習あるのみ!」そう思っていませんでしたか? 実はこれ、学校教育で根付いた誤った概念なのです。

日本の音楽教育はイタリアオペラを基盤にしています。明治時代にイタリアからオペラを輸入した影響で、「歌は練習すれば上手くなるもの」という考えが定着しました。しかし実際には、人間は本来、自然に歌える生き物だったのです。だからプロシンガーはボイストレーニングをしていなくても歌えたのです。

腹式呼吸は歌の基礎ではない!?

「歌には腹式呼吸が大事!」というのもよく耳にする話ですが、これもまた誤解です。整体院や健康法の本では「腹式呼吸は健康に良い」とされていますが、実はそれが商業的な理由で広まったものにすぎません。

プロのポップスシンガーが「腹式呼吸が重要」と言うことはありません。むしろ、ポップスにとって重要なのは、声の個性やピッチの高さです。クラシックとは根本的に考え方が異なります。

声量至上主義はもう古い

声量にこだわりすぎるのは、オペラ的な価値観です。ポップスでは適度な声量が求められ、「小さい声」もその人の個性となります。ライブでは、音量はPA(音響スタッフ)が調整します。つまり、腹式呼吸ができないからといって声が小さいと悩む必要はありません。

ボイストレーニングの盲点

ボイストレーニングはクラシックの発声法を元にしています。しかし、これをポップスに応用しようとすると無理があります。そこで登場したのが、ポップスに特化した発声法、「BEAMボイトレ」。ついにポップス独自の発声理論が確立されたのです!

腹式呼吸をポップスの立場で否定します

私はこう見えて元Sony Musicの音楽プロデューサーでしたから、腹式呼吸をポップスの立場から否定します。

人間の呼吸って、胸やお腹に気が取られていました。ポップスは頭です。人間の頭部は空洞部分が多く、その空洞は下のCT画像に様に黒く映るのです。

初めに、分かり易い「ほっぺた」から質問します。あなたは「ほっぺ」に呼吸の感覚はありますか?殆どの日本人はありませんでした。だけど最近の「色白な未来人(若者)」は少しづつ感じているようです。

次に「おでこ」に呼吸を感じられますか?アゴもありますが先に進みますよ。

それでは

おでこ、副鼻腔、眼球の後ろ、頭部の中心、気管、喉、みぞおち、とつながっていますが、感覚は?その途中で呼吸がセキドまったりしていませんか?

これが歌の真実です。ポップスはこの呼吸が止まっていなければ歌えます。クラシックならお腹を使ったりします。